HTLV-1質問箱

HTLV-1感染を防ぐ正しい知識

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HTLV-1感染によっておこる病気

質問箱は5つのカテゴリーにわかれています。
質問一覧はメニューの『HTLV-1質問箱』からご覧下さい。

日常生活編

日常生活ではほとんど感染しないってホント?

本当です。

HTLV-1は、ウイルスに感染した細胞が生きたまま、細胞ごと体内に入らない限り感染することはありません。

日常生活においてこのような条件を満たす行為は、授乳や性行為および輸血などの医療行為位しかありません。

したがって、それ以外の一般的な日常生活では、ほぼ感染しないと言えます。

つまりHTLV-1は、咳やくしゃみを介して感染することができるインフルエンザなどのウイルスに比べて格段に感染しにくいウイルスなのです。

洗濯やお風呂、食器などは大丈夫?

大丈夫です。

HTLV-1に感染しているお母さんの子供でも、出産時・母乳授乳によりHTLV-1に感染しなかった子供は、それ以降感染者のお母さんと一緒に暮らしていてもHTLV-1に感染することはほとんどありません。つまり、洗濯やお風呂、食事などの一般的な生活で感染することまずないと考えてよいと思います。

カミソリ、ハブラシは共用しても大丈夫?

ほぼ心配いりませんが、避けた方が安全です。

カミソリやハブラシなどは、使い方によって血液などが付着することがあります。

それを他の人が使用することで生きた感染細胞が体内に入る可能性は否定出来ませんが、洗ってあれば危険は低いと考えられます。

生きた細胞というのは大変弱いもので、水道水で洗っただけでも容易に死んでしまいますので、HTLV-1の感染はまず起こらないとものと考えます。

ただ、これは血液などを介して人から人へ感染する病気全体に当てはまるものではなく、水洗いだけでは感染を防げないものも有ると考えられます。また洗いが不十分だった場合は感染の危険があるとも言えます。

したがって、感染症一般に対する心構えとして、このような器具の共用は避けたほうが安全だと言えます。

母子感染編

母子感染とは?

HTLV-1に感染したお母さんから生まれた子供さんへの感染をいいます。

そのほとんどが母乳を与えることによって引き起こされると考えられています。ただし、母乳を与えていても約80 %の子供さんは感染しないようです。

また母乳をやめて人工乳で育てると97 %の子供さんが感染せずに成長することができると言われています。更に母乳に手を加える(一度凍結させたり、熱を加える)ことで感染を防ぐ方法も知られていますが、一般家庭でこれを忠実に実行するにはかなりの労力がいるようです。

HTLV-1に感染したお母さんが母乳による育児を希望される場合は、HTLV-1に詳しい医師にご相談されることをお勧めします。

母乳さえあげなければ絶対に感染しない?

いいえ。感染者のお母さんが母乳をあげることをやめて人工乳で育てていても約3%の子供さんがHTLV-1に感染すると言われています。これは出産時の出血などによるものではないかと考えられています。このことを怖れて帝王切開を望まれる方もいるようですが、手術にも出血は伴いますし手術自体のリスクもありますので、一概にこの方法を勧めることはできません。

子供を作らないほうがいい?

HTLV-1における母子感染の起こる確率は決して高いものではありません。

母乳をやめて人工乳で育てれば97%の子供さんは感染することはありません。また例えHTLV-1に感染したとしても、その大多数は感染していない人と同じように健康な人生を送ることができます。ですので「子供は作らないほうがいい」などと言う事は決してないと思います。

しかしながら物事に対する受け止め方は人それぞれです。またご本人が希望されても周囲の無理解に苦しめられることもあるかもしれません。そんな時は是非一度、HTLV-1に詳しい医師に相談をしてみてください。

子供の感染を調べるには

生後半年間くらいはお母さんからの移行抗体がお子さんの体内に残っており、HTLV-1に感染していなかったとしてもスクリーニング検査で陽性になることがあります。

HTLV-1感染の有無を正確に判定するためには余裕をみて3才を過ぎてから検査を受ける方が良いと言われています。

性行為感染(夫婦間感染)編

性行為感染とは?

性行為による感染を言います。特に長期間に渡って同じ人との交渉が続く夫婦間での感染が多いようです。

夫が感染者の場合、結婚後数年以内に20~25%の妻が感染すると言われています。それに比べると、妻が感染者だった場合の夫へ感染はかなり少ないようです。これはHTLV-1感染細胞が精液中に多く存在するためと考えられています。

感染が判明したら性行為は避けた方がいい?

HTLV-1感染によって病気になる確率はもともとあまり高くはありません。一番発症率の高いATL(成人T細胞性白血病)でも全体の5%程度です。しかも成人してから感染した人で、ATLを発症した人はこれまで確認されていません。

HAM(HTLV-1関連脊髄症)やHU(HTLV-1関連ぶどう膜炎)は成人してからの感染でも発症が確認されていますが、発症率自体がATLの数分の一程度と低く、またHAMに関しては性行為によるHTLV-1感染が原因で発症した人はほとんどいないのではないかと考えられています。

したがって、あまり過剰反応を起こす必要はありません。パートナーと、場合によってはHTLV-1に詳しい医師を交えてよく話し合ってその時々の人生設計を楽しんでください。どうしても気になる場合はコンドームの使用でほぼ感染を防御できます。

輸血感染編

輸血感染とは?

HTLV-1に感染した人の血液を輸血することによって起こる感染を言います。

血液中のたくさんの生きた感染細胞が一度に体内に入るため、その感染率は50%以上と感染力の弱いHTLV-1ではかなり高めです。また輸血ほどではないですが、注射器の使い回しや入れ墨などでも血液中の生きた感染細胞が体内に入る可能性があり感染の危険性があります。

日本で輸血したけど大丈夫?

現在日本国内では日本赤十字による献血や各病院における院内供血(病院内で輸血用血液を集めること)の際にはかならずHTLV-1の抗体検査がなされ、感染が確認された血液は輸血には使用されません。したがって、国内においては心配する必要はありません。

海外で輸血したけど大丈夫?

北米・西ヨーロッパ各国では日本と同じようにHTLV-1の抗体検査がなされています。

それ以外の地域では検査されていない地域が多いようです。

その中でもHTLV-1感染者が比較的多い地域はカリブ海・南米などがあげられます。それ以外の地域は例え検査がされていなくても感染血に当たる確率は1 %よりかなり少ないと思われます。しかし注射の回し打ちを頻繁に行っている麻薬常習者が多い地域や買血が盛んな地域などは、HTLV-1を含めてあらゆるリスクが高くなっている可能性があります。

その他

感染予防のワクチンはないの?

現在はありません。

またHTLV-1の感染を防止するワクチンの開発はあまり行われていません。これは感染者の数があまり多くなく、また病気の発症率もそれほど高くなく、感染経路がほぼ特定されており防御法が確立しているなどの理由で、社会的・経済的需要が大きくないためと思われます。